砂の女 (新潮文庫)

砂の女 (新潮文庫)

"罰が無ければ 逃げるたのしみもない"
これは面白い。
教師として日常を過ごしていたある男が、昆虫採集のため向かった砂丘で、
砂掻きを繰り返す『砂の女』との生活という非日常の蟻地獄に閉じ込められてしまう。
当然、彼は脱出を試みることになるが…。
いつのまにか、読んでるこっちまで口の中が砂っぽく感じ、
非日常の"1/8mmの砂の流動"に引き込まれていってしまった。
日常と非日常。その境界。
非日常である砂掻きと、現代社会におけるサラリーマンの労働との違いは…?
多くの示唆に溢れる作品。
また読みたいと思った。